七草道具店

雑な殴り書き

ゼロからはじめる人体錬成:きっとむずかしくないLive2Dモデル【みす50代 Advent Calendar 2018 21日目】

はい、2週間ちょっとぶりです。鈴しろ・ペニーウォートです。

先日卒論が爆散しないように命を懸けなければいけない局面に突入しました。絶望を駆け抜けろ。 反動で創作意欲は高まっていくのでいい感じに時間を割きたいところ……割けない……(AGEを引退しろ)

この記事はみす50代 Advent Calendar 201821日目の記事です。

昨日はぴのくんがLoLの世界観についての話をしてくれました。してくれたことにします。前の日のやつまだ上がってないけど担当の日になったのであげちゃう。今度はちょっとCG研っぽいことを書いていきます。

なにこれ

色々な人が受肉している2018年、僕たちもレッツ受肉! 善は急げ(善なのかはさておいて)というわけでLive2DとFaceRigをつかってスピード受肉しようという記事です。 絵が苦手な人向けに素材となる絵を描くための工程も書こうかと思ったのですが時間がないのでとりあえず最短ルートをいきます。

53代の方がすでにアドベントカレンダーでLive2D作ってみた記事を書いてましたね。 あとクランクさんもモデルを動かしてて嬉しくなった。 経緯としてもともとみんなにLive2Dに触れてほしいという思いもありましたが、 この前行ってきたLive2Dのカンファでマグロナちゃんからこんな話もあったりして、記事にするまでに至りました。

だれ

前回の記事かついったーでもみてね。

基本的に殴り書きスタイルを取ります。読みづらくてすまんです……すまんなんですごめんなさい……

どういう人向け

今回はキャラクターをしゃべらせるために(個人的に思う)最低限必要な部分を、時間がないのでざっくり工程を知ってもらうために追っていく感じになります。 基本的に操作や用語の説明も少なく公式のチュートリアルより薄い内容になっています。

詳しく説明しながら行きたかったけどたぶん細かいところは動画で見た方が早いぞ!できそうやん、と思ったら公式サイトのチュートリアルを観ながらやってみよう。

準備するもの

  • Live2D Cubism Editor (フリー版)
  • FaceRig (1480えん)
  • FaceRig Live2D Module (398えん)
  • 任意のペイントソフト
  • ウェブカメラ
  • マイク(任意)

お金かかんじゃん!!

FaceRigは度々Steamでセール価格になってるのでそこを狙うのもよしです。年末かクリスマスでなんかセール来ないかな…… 大体カメラ含めて安くて3kくらいで導入できます。 最低限ポイントその0がLive2Dフリー版を使う点だったり。よくぶち当たる機能制限は以下のあたり(個数はうろおぼえ)ですね。

  • デフォーマの数(50個)
  • パラメータの数(30個)

faceligで動かす場合はパラメータが足りなくなることはあまりありません。 Live2Dでは1つのアートメッシュ(レイヤ)に2つまでしかパラメータがつけられないので、代わりに親として「デフォーマ(なんか子の階層にあるメッシュをまとめて変形できる変形パスみたいなやつ)」をつけてそこにパラメータをさらにつけたりするのですがそういった使い方のため足りなくなりがちです。

いつか納税して製品版使うんだ……

最低限とは

パラメータ設定やパーツ分けを必要最低限(個人の感想)行って最短ルートでキャラクターをしゃべらせるまで行います。 パーツ分けなどさらに複雑になりますが、そこからクオリティアップするもよしです。 今回動かす部分は以下。

  • 目パチ
  • 口パク
  • 頭ぶんぶん
  • 髪揺れ

頭の縦と横のひねり、体のひねり、その他腕などは難しいので今回はやりません。僕も修行が足りなくてうまくできない。 絵の地力がある人は多分できます。

人体錬成しよう

構想

さあ、理想の身体を目指して人体錬成。 まずは動かすための器を錬成します。

ここは自分の好みを詰め込んであげるもよし、自分がなりたい姿を描くもよしです。 僕は、キャラクターの設定と用途からデザインを作りました。

そもそも僕は色々いじって何個かモデルも作っていたのですが、 どれもしっくりこなかったというところでもう色々モデルを作って色々使えばいいのでは?という結論に至りました。 その辺を汲んで、下のような設定(要素)を上げました。

声帯(ボイチェン環境)を用意できている人は、自分のボイチェン後の声に合わせに行くのもよいです。 地声で話すにしても、りむとまきのお二人のように見た目を少し中性的にしておくとちょっとスッと受け入れやすいです。(ほんと?)

  • 化け狐娘(色々な姿になれる)
  • 白い(鈴しろなので)
  • 七草要素(鈴しろなので)
  • 眠そう(眠いので)
  • 枕を抱えている(お布団が好きなので)
  • 髪の毛もっふもふにする(すきなので)

ラフ~下描き

上で出したの要素をもとにラフを描き起こします。 こんな感じになりました。(時間がないのでそこの過程はどうなってんだよありがちメイキングになります。)

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デザインラフ

  • なまえ:箱部 七(ハコベ ナナ)
  • ねんれい:17
  • しんちょう:157cm(ほんまか)
  • たいじゅう:?
  • すきなもの:ねること、ふとん

はい。設定をつけないと死んでしまう病気です。

僕はキャラデザを残しておくため下まで描きましたが、機能制限の関係でテクスチャ展開の時に使える画像サイズが小さい(何言ってるかわからない)のもあって、バストアップもしくは腰までで十分です。削ります。 あとで体を大きく上下させたい人は少し長めに描いておくとよいです。

仕上げ&パーツ分け

動かしたいパーツから分けるパーツを割り出します。 慣れてくると分けながら描くことができますが、慣れないうちは一枚絵として描き上げてから分けるのも一つの手。

必ず動かしておきたいパーツは以下。

  • 髪の毛

ここを動かすとなると次のようにパーツ分けが必要になります。

目(左右別)

  • 上まぶた
  • 下まぶた
  • まぶた横(絵柄的に今回はありませんが、上まぶた外側から折り返している部分です)
  • 白目
  • ハイライト(今回は目に統合しています)

  • 口なか
  • 口うえ
  • 口した
  • 歯(今回はありません)

眉(左右別)

  • 耳(左右別、今回はケモミミです)

髪の毛(このへんは髪型次第のところがあります。層の重なりとかで考えて……)

  • 前髪
  • 横髪(左右別)
  • 後髪

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下描きガン無視じゃねえか……

口や目は開ききったところから閉じる方が楽です。あほ面で描きましょう。

クリッピングを使う前提のため目が飛び出してますが、以上パーツ分けでした。一個ずつ説明しようと思ったけど、面倒だからpsdファイルを投げるぞ!!こんなかんじです。 あげなおすの面倒だったので塗りつぶしガバとかあるけどゆるして。

Live2D公式サイトでサンプルモデルが配布されているのでそちらも参考にするとわかりやすいかも。

モーション付け

モーションというかなんというか。なんていうのあれ。 パーツごとにレイヤ統合まで終わったらpsdで書き出してLive2Dのエディタで開きます(ちなみにモデルで作業を進めてしまってもあとから差し替えることもできます)。 それぞれメッシュ割り当てからパラメータ設定、変形の順に説明します。 操作説明系は省いています。

まずさいしょにクリッピングの設定だけやっちゃいましょう。 白目のIDを目のほうの「クリッピング」の欄に入れると目が白目の範囲だけみえるようになります。 f:id:nanakusaitemshop:20181220072444p:plain

基本的に動かすパーツにメッシュ(三角面)を当てて、そのメッシュを変形させることで動きをつけていきます。

まず目関係から。白目と目は複雑な変形をしないので自動でメッシュを当てちゃいましょう。メッシュの自動割り当てからプリセットを使います。 f:id:nanakusaitemshop:20181220072928p:plain

まぶたは曲がったりなんだりするのでしっかり手で付けていきます。 中心に点を大体等間隔に打ってから正三角形をつくるとこんな感じに。 これをきれいにやると、線が崩れず曲がります。大事。 f:id:nanakusaitemshop:20181220073531p:plain

まああとからやばい動きしたら頂点位置も修正できるので気軽に行きましょう。 これで左右上下のまぶたにメッシュを当てたらいよいようごかします。

まず簡単な目のXY移動を設定します。ぐりぐりパラメータを動かしながら補完された部分の動きが自然に見えるよう微調整していきましょう。 上下左右作ってパラメータリンクさせると4隅を自動生成みたいなのもあるっぽい。 f:id:nanakusaitemshop:20181220080935p:plain

さらに目の開閉です。左右見比べつつ。 メッシュの変形は「変形パスツール」で大まかに動かすことができます。 今回は白目を変形させて目パチをしていますが、まぶたレイヤに肌色で瞼を描くのもありです。 ただ髪の毛の落ち影周りが(おそらく)少し面倒になります。

0.75あたりを基準値において、そこから先で目を見開く感じで動くようにしました。 f:id:nanakusaitemshop:20181220082117p:plain

次に眉。こちらはfacerigでもデフォルトのパラメータを大体使ってくれるらしいのですが、フリー版の制約があるので「眉上下」と「眉変形」の2つを使いましょう。 メッシュの当て方は先ほどのまぶたレイヤと同様です。 眉変形は負の値がしかめる方向、正の値はアーチになる方向らしいです。 f:id:nanakusaitemshop:20181220083735p:plain

眉が終わったら口周りです。これもよく動くので手でメッシュを付けます。 こちらはくちのふちの部分と口の中レイヤを覆うための肌色の箇所があるのでこのようにメッシュを当てます。 ちなみに先ほど少し触れたまぶた部分の肌色の箇所を用意したレイヤも同じように当てることでうまく変形できます。 f:id:nanakusaitemshop:20181220085602p:plain

メッシュを当てたので口の開閉と変形。この辺りはメッシュの当て方で見た目が崩れやすいので、 変形後の形を変形パスツールで大体作った後メッシュの頂点を直接いじるといいかもしれない。

口の変形は負の値で口をすぼめる方向、正の値は横に口を開く方向らしいです。音素による変形ですかね。 負の値はあまり反映されないらしいです。 f:id:nanakusaitemshop:20181220085930p:plain

つぎつぎつーぎ。髪の毛です。 このへんはそこそこゆれてほしい+柄があまり崩れてほしくないので自動で変形度合いを大に。 「ワープデフォーマ」も併用しながら動きを作ります。 髪の毛はこだわりたい箇所なので、前髪だけスキニングを使い……たかったのですがfaceligがスキニングに必要なグルーという機能にまだ対応してないらしい?ので断念。 この前Live2Dへの対応を進めていくみたいなこと言ってたし待ちましょう。 f:id:nanakusaitemshop:20181220094716p:plain

最後に物理演算設定をえいえいとやればおわり。

最後に頭と身体のかたむけるやつ(?)です。頭は「回転デフォーマ」、体はワープデフォーマでいきます。 こういったワープデフォーマの動きは、「動きの反転」を使うことで片方の動きを作ればそれを反転して逆方向の動きにしてくれます。

X軸(頭の上下捻り)に体の上下とかも軽く入れました。 顔を上下すると体が上下します。

体の回転Xじゃないの?と思うかもしれませんが、トラッキングでとれない(マウスが必要)ので上下させたい場合こちらのパラメータに体の上下を入れてしまうのが無難です。 f:id:nanakusaitemshop:20181220102410p:plain

最後に呼吸を作ります。 さっきつかった身体のワープデフォーマを子にするデフォーマを変形して、胸や肩が少し上がっている感じを出します。 f:id:nanakusaitemshop:20181220104049p:plain

最後に持て余してしまったしっぽを呼吸、けもみみを目パチと連動させます。

モデルを書き出して完成!!と言いたいところですが最後にテクスチャアトラスってやつを作る必要があります。 ざっくりいうとパーツ分けした画像を1枚の画像に並べたやつですね。これに使えるサイズもフリー版では制限があります。 なので自動生成した後に倍率をそろえつつギリギリ収まるようにちまちま並べましょう。

本当ならデータサイズを気にせずいいサイズで書き出してしまえばいいのかな……?フリー版という縛りの上ではこれがパーツの解像度にかかわります。 f:id:nanakusaitemshop:20181220114633p:plain

パズルみたいで楽しいですね(錯乱)

ここまで来たら晴れてモデル書き出し、FaceRigの該当フォルダに移せば動かせます。

おわりに

こんな感じに動きます(※ボイチェン注意)。ひねりの動きがなくても結構動いてるように見えませんか?

ん~~~絵ができてから動くまで3~4時間くらいでした。思い出しつつだったのでなれるともうちょっと早いのかなと思います。

絵が動くまで大体どんなことをしているのかが伝われば幸いです。

今回は最低限ということでここまでですが、ちゃんと前腕と上腕と手と身体(あとこの絵の場合枕)をパーツ分けしてデフォーマ使ってX軸Y軸のひねりを入れるといい感じに動くモデルになります。たぶん。

もしLive2D触ってみてわからないこととかあれば聞くのでリプとか飛ばしてきていいよ……(答えられるとは言ってない) 知識は共有していきたい。

というわけで今回はここまで、君もレッツ人体錬成!

以下参考記事です。

明日は予定通りであれば、Qくんが哲学の話をしてくれるらしいです。→ Comming Soon...

またまた最後に宣伝。こちらもあわせてどうぞ。

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